業務プロックをパッケージでまとめる

APSのためのさまざまな業務機能ブロックは、便宜的に、いくつかの業務機能パッケージとしてまとめることができます。このパッケージ単位に、各業務機能ブロックにおける具体的なアクティビティが交換する情報を、業務情報の区分に分けて説明することができます。

・・・ 誤解しやすいですが、これはパッケージソフトウェアのことを指しているのではありません。個々の業務ブロックは、ある程度普遍的に存在する反面、企業全体をみわたす場合に粒度がこまかいため、それらをグループ化したものがパッケージであると考えてください。したがって、パッケージのしかた(グループ化のしかた)はいろいろあってもかまいません。個々の企業や業態に応じて、そのようなまとめ方をしておくと便利、というだけのものです。

計画管理の視点

計画管理の視点で分類した機能を中心とした業務パッケージには、経営企画パッケージ、利益管理パッケージ、需給調整パッケージ、生産計画パッケージ、そして、工程管理パッケージがあります。

経営企画パッケージ

経営企画パッケージには、経営計画、開発計画、投資計画、仕入先開拓、得意先開拓の5つの機能ブロックが含まれます。この業務機能パッケージは、企業の中でもっとも上位に位置づけられる経営的意思決定に関するものであり、トップマネジメントが関与して、中長期的な企業の方向性を左右します。 詳しくは...

利益管理パッケージ

利益管理パッケージには、原価企画、キャッシュフロー管理、原価管理の3つの機能ブロックが含まれます。この業務機能パッケージは、工場の各設備や人的資源に対して、適切な投資が行われ、あらかじめ予想したパフォーマンスをあげているかを、コストとスループットの視点から管理します。 詳しくは...

需給調整パッケージ

需給調整パッケージには、需給調整計画、販売計画、購買計画の3つの機能ブロックが含まれます。この業務機能パッケージは、全体最適化を指向して、生産機能と販売機能との調整を行い、機能間の連携をはかります。これにより、需要と供給とのバランスをはかると同時に、企業の財務状況も考慮に入れながら、経営資源をいかに配分するかに関する意思決定も行います。詳しくは...

生産計画パッケージ

生産計画パッケージは、基準日程計画、作業日程計画、詳細スケジューリングの3つの機能ブロックが含まれます。この業務機能パッケージは、具体的な需要予測や実需要をもとに、生産計画や能力計画を作成するとともに、それを各生産工程に展開し、最終的な作業指示を設定します。また、状況に応じて、適宜、計画やスケジュールを変更します。 詳しくは...

工程管理パッケージ

工程管理パッケージには、工程管理、作業者管理、生産実績管理の3つの機能ブロックが含まれます。この業務機能パッケージは、実際の生産現場において行われる作業を管理します。設備や作業者などの生産資源が、さまざまな作業指示に対して、効率的に活用されているかを計画と実績とを対比させながら管理します。 詳しくは...

エンジニアリングライフサイクルの視点

製品ライスサイクルや工程ライフサイクルの視点で分類した機能を中心としたパッケージには、設計開発パッケージ、技術管理パッケージ、品質管理パッケージ、保守管理パッケージがあります。

設計開発パッケージ

設計開発パッケージには、製品計画、工場計画、製品設計、工程設計の4つの機能ブロックが含まれています。この業務機能パッケージは、企業が行うエンジニアリングの中心的な部分であり、提供する製品やサービスを企画立案するとともに、具体的に実行するための技術情報を生成します。 詳しくは...

技術管理パッケージ

技術管理パッケージには、製品試作、製造技術、設計日程計画、設置日程計画、仕様変更管理の5つの機能ブロックがあります。この業務機能パッケージは、高度なエンジニアリング技術と知識をもとに、実際に製品や工程を作る過程を通して、生産に必要となる技術情報を最終的に完成させます。設計フェーズと生産フェーズをつなぐ役割をもっています。 詳しくは...

品質管理パッケージ

品質管理パッケージには、検査計画、品質管理、品質実績管理の3つの機能ブロックがあります。この業務機能パッケージは、製品の品質を常にあらかじめ設計された一定の値に保つために、最終製品のみならず、生産プロセスのあらゆる過程において品質チェックを行います。また、製品や工程の品質に関する情報を系統的に管理します。 詳しくは...

保守管理パッケージ

保守管理パッケージには、保守計画、設備管理、性能実績管理の3つの機能ブロックがあります。この業務機能パッケージは、生産に関連するあらゆる設備について、その能力を常に設計値どおりに維持できるように、状態のモニタリング、トラッキング、使用履歴管理、故障の事前予測、現象の解析、ユーティリティの管理、サプライ品の管理、定期点検、定期部品交換などを行います。 詳しくは...

サプライチェーンの視点

サプライチェーンの視点で分類した機能を中心としたパッケージには、受注管理パッケージ、発注管理パッケージ、出荷管理パッケージ、入荷管理パッケージ、そして在庫管理パッケージがあります。

受注管理パッケージ

受注管理パッケージは、得意先管理、受注管理、得意先仕様管理の3つの機能ブロックがあります。この業務機能パッケージは、販売機能において、製品の販売計画の作成や、実際の顧客オーダの管理などを行います。また、得意先と生産現場との間に立って、緊急オーダの処理や、納期回答、さらには個別仕様に関するフォローを行います。 詳しくは...

発注管理パッケージ

発注管理パッケージには、仕入先管理、発注管理、仕入先仕様管理の3つの機能ブロックがあります。この業務機能パッケージは、資材のサプライヤや協力工場など、企業の外部で行われる生産活動を管理します。これら外部の取引先企業の品質情報や能力情報などを常に監視し、最適なサプライチェーンであるように必要に応じて取引先の選定も行います。 詳しくは...

出荷管理パッケージ

出荷管理には、出荷検査、出荷管理、販売実績管理の3つの機能ブロックがあります。この業務機能パッケージは、受注管理パッケージに対応したものであり、得意先からの受注オーダに対して、要求された納期に間に合うように製品出荷の作業を管理します。出荷にあたっては必要な検査を行うとともに、出荷後は、販売実績情報として出荷履歴を管理します。 詳しくは...

入荷管理パッケージ

入荷管理には、入荷検査、入荷管理、購買実績管理の3つの機能ブロックがあります。この業務機能パッケージは、発注管理パッケージに対応したものであり、すでに仕入先または外注先に発注した資材の納入を管理します。ここでは、納入時の入荷検査および検品処理と、それに関連する仕入先や外注先との対応なども管理します。 詳しくは...

在庫管理パッケージ

在庫管理パッケージには、製品在庫管理、資材在庫管理、仕掛品管理の3つの機能ブロックがあります。この業務機能パッケージは、製品在庫、資材在庫、仕掛品在庫といったあらゆる在庫の管理をおこないます。定期的な棚卸しや倉庫の入出庫管理によって常に適性在庫を維持し、将来の理論在庫量も計算しながら、常に生産現場に必要な量の資材を提供します。 詳しくは...