生産品目に関する情報

生産品目の分類

生産品目は、生産活動によって生成されるもの、消費されるものが対象となります。生産品目に関する情報として、製品、資材、そして仕掛品が定義されています。一般に、資材という用語は、購入品に対して使われる場合がありますが、本仕様書では、作業区のレベルで扱う生産品目を資材と定義しています。

図  生産品目の種類

図は、資源情報の階層構造と、品目情報の階層構造について、それぞれの関係を資源に対する品目の出入りによって模式的に表したものです。作業場が生産または消費するのが仕掛品、作業区が生産または消費するのが資材、拠点(工場)や企業が生産または消費するのが製品となっています。

図 2  生産品目と資源階層の関係

 

製品(Product)

製品は、その企業からみた顧客に対して提供する製品です。製品は、受注オーダの対象であり、拠点間手順に対する入力あるいは出力となります。また、工場などの拠点単位で生産する品目または消費するものを製品と呼ぶ場合があります。この場合、製品は、拠点オーダの対象であり、拠点プロセスに対する入力あるいは出力となります。

資材(Material)

資材(Material)は、作業区単位で生産または消費されるものです。これは、生産品目のサブクラスです。資材は、作業区オーダの対象であり、工順に対する入力あるいは出力となります。

仕掛品(WIP)

仕掛品(WIP)は、作業場の単位で生産または消費されるものです。これは、生産品目のサブクラスです。仕掛品は、作業指示の対象であり、製造方法に対する入力あるいは出力となります。

仮想的な品目

生産品目が、具体的なモノを対応づけることができるオブジェクトであるのに対して、キット品目とファミリ品目は、実在しない仮想的なモノに対応します。これは、通常、A型(組み立て型)の製品構造をもつタイプの製品において利用されています。

キット品目(Kit Item)

キット品目は、実在しない生産品目であり、複数の実在する生産品目を代替する品目です。キット品目は、部品の取り揃えなど、管理上、複数の生産品目をまとめて扱うほうが効率的な場合に利用されます。擬似品目と呼ばれることもあります。

ファミリ品目(Family Item)

ファミリ品目は、実在しない生産品目であり、複数の実在する生産品目の中のどれかひとつを代替するものです。最終的な製品の仕様を決定する際に、複数のオプションが選択可能な場合などに、その選択が確定する前の品目を呼ぶときに利用することができます。