工程管理関連情報の区分
工程管理関連情報としては、作業指示情報、作業記録情報、ロット情報、タスク情報、在庫情報、そして負荷情報の6種類の情報区分があります。これらの情報は、おもに現場業務に関する情報として定義されています。
作業指示情報(E1)
作業指示情報は、生産、保管、移動、検査、包装、梱包、そして保守など、生産現場で行われるさまざまな作業を要求する情報です。各工程レベルの生産に関する作業指示としては、指図情報やカンバンなどがあります。また、保管に関する作業指示としては、入庫指示、出庫指示票、部品取揃え票などがあります。部品取揃え票は、特定の工程あるいは生産指示について集約した出庫指示ということができます。検査や保守に関する作業指示は、それぞれ検査指示、保守指示として表現されます。
作業記録情報(E2)
作業記録情報は、作業指示に対応して現実に生産現場で行われた作業を記録したものです。生産に対する作業実績としては、各設備や資源ごとに生産実績票、作業日報(機械別、作業者別)などがあります。また、品目を中心とした実績情報としては、各製品あるいは生産品目ごとに計測される生産/不良実績値があります。これは、期ごと品目ごとの数量が設定されます。在庫エリアに対する品目の入庫、出庫の記録となります。
ロット情報(E3)
作業指示によって生産された品目に関する情報として、ある時点である特定の品目の存在を表すためのロット情報があります。複数の異なるロット情報をリストとして表現することができます。生産ロットは、品目に対して具体的な場所と生産時刻が設定されています。これは、在庫情報の元データとして、トータルの在庫量を計算するために利用されます。
タスク情報(E4)
個々の資源の利用に関する詳細な情報として、タスク情報があります。これは、資源が提供可能な能力を利用する期間と量についての記録です。これは、負荷情報や稼動実績の元データとなります。タスクは、機械時間、作業者時間などの単位で設定されます。同一の作業指示でも、設備や作業者などの種類ごとに別々のタスクとして記録されます。タスクには、開始時刻、終了時刻があるので、一定の期間の負荷合計を計算することもできます。
在庫情報(E5)
在庫情報は、特定の品目に対して、時間の経過とともにその在庫量の推移を表現したものです。将来の理論在庫を表現することができます。また、過去の在庫量も表現可能です。複数の品目の在庫情報を同時に扱うことができ、将来の特定の時刻に、在庫が不足するといった状況を事前に知ることができます。また、在庫計画、在庫入出庫計画、製品ごとの出来高推移を表すチャートなどを含みます。
負荷情報(E6)
負荷情報は、工程や設備、作業者などの負荷量を、時系列的に表現したものです。それぞれの資源の能力(キャパシティー)に対して、その範囲内にあるかどうかを確認することができます。負荷の推移は、複数の資源を同時に扱うことができます。この場合には、資源を行として複数段のチャートとなります。資源ガントチャートも、この負荷情報として表現されます。