共通用語辞書(詳細情報):PSLX標準仕様バージョン1対応

あ行

  • 位置(location)
  • 品目のインスタンス情報である個々の現物が存在する場所のアドレス情報。位置は時間とともに変化するため時系列情報となる。移動によって位置が変化する。

  • インスタンス情報(instance information)
  • 個々に異なるオブジェクトを表すために、マスター情報として定義されたオブジェクトまたはクラス情報を雛型とし、独自の情報を付加して個別に生成したもの。

  • インタフェース(interface)
  • 複数のサブシステム間で情報をやり取りする場合に必要となる受け口。または、その受け口の形体を指す。インタフェースを標準化することで、異なるサブシステムが連携できるようになる。

  • 受入管理(material reception management)
  • サプライヤーに発注した資材が納品される際に、生産現場で実際の受入、検査および検収を行い、実績情報を登録する。計画と実際とが異なる場合には、追加納入を要求する場合もある。

  • 永続化(permanent)
  • オブジェクトをデータベースなどに保存し、変化しない状態にすること。オブジェクト指向モデリングにおける用語。

  • エージェント(agent)
  • システム全体を構成するサブシステムを、個々のミッションを自律的に実現するものとしてとらえた場合の個々の主体的な単位。各エージェントは、インタフェースで定義された機能を実現するが、必要に応じて他のエージェントの力を借りてもよく、その方法は内部に隠蔽されている。

  • エンジニアリングチェーン(engineering chain)
  • 顧客の潜在的要求やアイデアを、現実の製品として形にするためのプロセスにおいて、さまざまな部門間で仕様情報や制約情報がチェーンとして連携しているようす。

  • 応答メッセージ(response message)
  • 要求メッセージを受け取り、その要求内容に従って応答するためのメッセージ。応答メッセージには、処理結果を報告するものや、データの照会に対する内容を返すものがある。

  • オーダ(order)
  • 要求を具体化したものであり、作業指示や個別事象を生成するトリガーとなる。オーダの内容を満たすようなスケジュールが必要となる。顧客以外に、プランニングやスケジューリングで生成される場合もある。

  • オーダ投入(release)
  • 生産現場へのオーダ情報を送る場合や、すでに送ったオーダに対して、資材の到着などにより、オーダが開始可能となることを表す事象。他の事象と同様に日時や先行関係を設定可能。

  • オーダ納期(order due date)
  • 製品の出荷など、そのオーダから派生したすべての手配オーダの作業終了日時の中で、最遅のものが該当する。オーダ納期は事象であるため、他の事象と同様に日時や先行関係を設定可能。

  • オブジェクト(object)
  • 個別に存在するさまざまな対象を、その特徴を表す属性や手続きのまとまりとしてモデル上で表現したもの。オブジェクト指向モデリングにおける用語。

  • オントロジー(ontology)
  • さまざまな意味を表現する上で最終的なよりどころとなる語彙のこと。相手に意味を伝えるためには、そこで利用されているオントロジーに対する共通合意が必要となる。

か行

  • 外注オーダ(outsourcing)
  • 手配オーダの中で、外部のサプライヤーに対するオーダ。ただし、購買オーダと異なり、これは、加工や組立てなどの生産作業を外部の資源を利用して行う場合に利用する。

  • 確定オーダ(definite order)
  • 顧客オーダのうち、確定しているものを指す。内示オーダが確定オーダに変わる場合と、内示オーダとは別に確定オーダを新たに設定する場合がある。キャンセルしない限り有効。

  • 稼動カレンダー(operation calendar)
  • カレンダーを参照

  • 稼動実績(operation progress)
  • 製造現場に対する製造指示に対して、設備の視点にたった実績情報。指示された生産を行った結果、その設備の稼動状況がどのようなものあったかを示す。特定の期間でまとめることが多い。

  • カレンダー(calendar)
  • 工場や各作業区が、日別またはシフト別にどのような予定で短期または中期的に稼動するかを示したもの。必要に応じて、設備や作業者単位で設定することもある。

  • ガントチャート(Gantt chart)
  • スケジュール情報を、時間軸上に整理し、視覚的にまとめて表現したチャート。通常、水平方向に日時や時刻をとり、縦方向に資源やオーダや品目などをとる。

  • 管理区(site)
  • 生産管理を行っている単位。企業全体が対応する場合や、工場の単位で独立している場合がある。通常、管理区の内部では密な計画が作成され、管理区の間ではラフな計画連携となる。

  • 完了実績(completion progress)
  • 生産現場に対する製造指示に対して、それが完了したかどうかに関する情報。実績報告は、生産の都度行う場合と、特定の期間ごとにまとめて行う場合がある。

  • 技術アーキテクチャー(engineering architecture)
  • ある目的を達成するために必要となる技術を、そのカテゴリーや技術間の依存関係などをもとに構造化し整理したもの。必要な技術を利用する際のマップとなる。

  • キャッシュサイクル(cash to cash cycle)
  • 資材購入により現金(キャッシュ)を支払ってから売上により代金を回収するまでの平均日数。新製品の投入の場合には、設備投資から投資額の回収までが大きなサイクルとなる。

  • キャッシュフロー(cash flow)
  • 生産による付加価値の設定など、財務上の資産の増加とは別に、実際にキャッシュがどれだけ動いたのかを示す指標。いくら良い製品をつくっても、売れなければキャッシュフローはゼロとなる。

  • 業者選定(supplier management)
  • 有利な条件で効率よく必要資材を調達するために、サプライヤーの選別や契約内容などを決定する。資材以外にも、工程外注により一部の工程をアウトソーシングする場合も含む。

  • 協調仕様決定システム(Collaborative option decision system)
  • 個別受注生産において、仕様の完全確定前から先行して生産を行い、仕様の確定と生産とを同時並行的に進めるしくみ。生産側から販売または設計部門に仕様決定催促ができる。

  • 業務パッケージ(business package software)
  • 企業の個々の業務に対して、オーダーメードではなく、あらかじめ機能を定型化したソフトウェアを適用するためのもの。統合業務パッケージでは、すべての業務をパッケージ化する。

  • 業務プロトコル(business protocol)
  • 複数の組織または企業間が協調して業務プロセスを実行する際の取り決め。情報のやりとりのパターンや、情報の項目や意味の定義、そしてその実行方法などを定めている。

  • 切替関係(changeover)
  • 同一の資源上で、前後する2つの作業間の時間的関係。前後する作業がもつ仕様の組合せによって、切替時間が異なる場合が多い。資源ごと、作業の組合せごとに制約が設定される。

  • 緊急オーダ(urgent order)
  • 定常的な受注プロセスとは異なる方法で、緊急に依頼されたオーダ。あらかじめ設定したリードタイムよりも短い場合が多い。生産現場を混乱させる大きな要因となっている。

  • クライアント(client)
  • 2つのプログラムがネットワーク上で通信可能であり、一方が他方に何らかのサービスを提供可能である場合、サービスを受ける側のしくみのこと。

  • クラス(class)
  • 個々に存在するオブジェクトを、その特徴にもとづいて抽象化して表現したもの。オブジェクト指向モデリングにおける用語。

  • グランドデザイン(grand design)
  • 企業がその置かれた環境を正しく認識し、そして企業がもつ経営資源を再認識した上で、これから目指すあるべき姿と、そこへ至るための具体的な道筋を定めたもの。

  • クレーム(complaint)
  • 顧客が製品を受け取った後に、何らかの不具合が発生した場合に、顧客からAPSに対して送られる情報。設計部門や製造部門にとって、品質改善のための貴重な情報となる。

  • 経営環境(management environment)
  • 経営を行う上で直接制御不可能な外的要因。経営環境は時間とともに変化し、かつ不確実である。ニーズやシーズの動向とともに、商習慣や規制や競合他社なども重要な要素。

  • 経営資源(management resource)
  • 企業が活動を行うために必要となる人、モノ、お金、そして情報など。特に企業がもつ技術やネットワークは、これらをベースに構築された無形の財産となる。

  • 経営戦略(management strategy)
  • 企業が永続的に発展していくための方策。経営資源の重点的な配分の決定などを行う。グランドデザインで明らかになった短期的、中期的、長期的な目標を連携させ全体最適へ導く。

  • 計画(plan)
  • 経営戦略を実際の企業活動へつなげるための具体的な数値情報。プランニングの結果として設定される。オーダの集計量など、スケジューリングに対して目標または制約となる。

  • 計画サイクル(planning cycle)
  • 計画やスケジュールを作成するサイクル。いったん作成した計画やスケジュールは、実際の生産現場や市場の動向からくる実績のフィードバックによって繰返し更新される。

  • 計画精度(precision of planning results)
  • 作成されたスケジュールが、生産現場にいたるまでの過程で、実際にそのとおり実行されたかどうかに関する指標。設定内容が現実を正しく認識していない場合や、現実が変化した場合に値が悪くなる。

  • 計画引当(planned order allocation)
  • 見込み生産に対して、確定した顧客オーダを引き当てる場合に、完成品在庫ではなく、計画あるいは仕掛の状態にある見込みオーダに対して引き当てること。在庫削減の効果がある。

  • 原価管理(cost control)
  • 個々の生産活動について、それぞれの製造原価を正しく把握するとともに、キャッシュフローの観点から、最適な生産方法を決定するための基本情報を提供する。

  • 研究開発(research and development)
  • 顧客のニーズを製品という具体的な形にするために、既存の技術では対応できない場合に、そのギャップを埋めるための新しい技術を考案すること。

  • 検査実績(inspection progress)
  • 生産された製品が、要求される品質を満たすものであるかどうかを示す情報。検査によって、不合格となったものは、廃棄処分となるか、あるいは再度生産をやり直すかのどちらかとなる。

  • 検査(inspection)
  • 生産に関係する作業の中で、対象とする品目のIDは変化しないが、要求品質に達しないものを除外することで数量が減少するような作業。実際にどれくらい減少するかは未知。

  • 原単位(standard data)
  • 生産管理や原価管理などで計算に使われるさまざまな基礎パラメータ。実測値、集計値、経験値、あるいは統計値などが多い。「機械の時間あたりの稼動コスト」や、「不良率」など。

  • 現物(substance)
  • 品目が抽象化された情報であるのに対し、その品目クラスに存在する具体的な存在を表したもの。ある時点においてある場所に存在し、個別の識別名によって認識可能なもの。

  • 工場計画(resource planning)
  • 将来の市場の動向を見越して、生産のための設備やラインの増設、あるいは工場そのものを新設/廃棄する計画。収益計画や企業戦略と密接に関わる。

  • 後続作業(successor)
  • 2つの作業間の先行関係において、指定する作業の開始は、自分の作業が終了した後でないとならないという制約。事象間あるいは作業と事象間に対しても定義可能。

  • 工程外注(outsourcing)
  • 資材から製品にいたるまでの生産プロセスの一部を、外部のサプライヤーに生産委託すること。生産プロセスの中間を委託する場合には、その時点までの仕掛品を相手に支給する必要がある。

  • 工程仕様(process specification)
  • 工程の新規設置や、新製品に対応した改良、あるいは保守作業などを行う上で、必要となる技術的情報。この内容は、設計部門において設定され、生産現場に計画情報とともに送られる。

  • 工程設計(process design)
  • 製品を製造するために必要となる製造設備や作業者などのハードとソフトを設計する。工程設計は、このように生産する側のシステムを具体的な製品の要求に応じて設計する。

  • 購買(purchase)
  • 企業全体としてとらえた場合に購買部門が行う作業。部品や原材料などの資材を購入する。通常、購買部の作業者が行う部分を指すが、資材の到着までの期間全体を購買作業とみなすことも可能。

  • 購買オーダ(purchase order)
  • 生産オーダに対して、必要な資材を確保するために、サプライヤーに対して送るオーダ。通常、購買部門が行うプランニングの結果として生成され管理される。

  • 購買管理(purchase order management)
  • サプライヤーに対する資材の発注や、工程外注などを管理する。資材所要量を生産オーダ数から計算し、資材発注方式にもとづいて発注のタイミングと量を決定する。納期管理も合わせて行う。

  • 購買計画(purchase plan)
  • 生産方針あるいは生産オーダの計画内容に従い、外部サプライヤーから必要な資材を調達するための計画。工程外注のような一部の肯定のアウトソーシングも含む。

  • 購買平準化(purchase balancing)
  • 月や週などの集計単位で見た場合のサプライヤーごとの購買内容が、金額や負荷の点で平準化されているかどうか。毎日納入する場合には、日ごとの負荷の平準化も必要となる。

  • 顧客(customer)
  • APSに対して外部からオーダを発行する主体。企業は顧客に対して価値を提供し、その見返りとして収益を得る。顧客がもつ潜在的な要求をオーダ以外の形で察知することが重要。

  • 顧客オーダ(customer order)
  • 顧客からの要求をオーダという形で表したもの。顧客オーダのうち、製品在庫で対応できない分が生産オーダとして製造部門に送られる。顧客からの内示オーダ含む。

  • 個別事象(occurrence)
  • 事象のインスタンス情報。事象情報に加えて、具体的な事象の実行日時が設定されてあるもの。すべてのスケジュール情報は、個別事象によって構成されている。

  • 混合生産引当システム(mixed production and order allocation system)
  • 見込み生産と受注生産との区別をなくし、顧客オーダを常に生産スケジュールに引き当てるしくみ。在庫を在庫としてではなく、完成スケジュールとして扱う。納入リードタイムと在庫削減が同時に可能。

さ行

  • サーバー(server)
  • 2つのプログラムがネットワーク上で通信可能であり、一方が他方に何らかのサービスを提供可能である場合、サービスを提供する側のしくみのこと。

  • サービス(service and support management)
  • 市場のニーズを製品に結びつけるために、製品が実際に市場で使われる現場をサポートし、製品販売後も顧客に対して要求に答えていくためのサービスを提供すること。

  • 在庫(stock)
  • それぞれの日時や時刻において各品目が存在する数量。品目がもつ状態値の一つであり、その品目に属するロットの合計数でもある。能力によって上限下限が設定できる。

  • 在庫計画(stock plan)
  • 予測される将来の需要と供給のギャップをうめるために、各製品または資材別に、どの時期にどれだけの在庫がどの場所に必要となるかを計算し、あらかじめ設定した情報。

  • 在庫照会(inventory inquiry)
  • 製品の納期を照会するかわりに、出荷可能な在庫の数を照会すること。定型的な製品であり、即納できるかどうかのみを知りたい場合に利用される。

  • 在庫調整(stock control)
  • 市場の需要の変動を吸収し、できるだけ平準化生産を実現するために、在庫を効果的に活用する。在庫調整では、サプライチェーン上のどの位置でどの時期にどれくらいの在庫を持つべきかを決定する。

  • 最遅仕様決定日(latest option decision date)
  • 個別受注生産品について、仕様の決定プロセスと製造プロセスを同時並行で進める場合に、製造側の制約から仕様決定のタイミングの最遅日時を示したもの。

  • 作業(operation)
  • 生産に関する行為の内容を表す単位。スケジューリングを行うためのマスター情報となる。品目の生成や消費、あるいは資源の利用を設定することができる。品目を生成しない作業もある。

  • 作業オーダ(operation order)
  • 作業の実行を要求するオーダ。手配オーダがこれに該当する。対象作業を直接指定する。その作業が品目を生成しなくてもよい。オーダの構造的分類。

  • 作業関係(interval)
  • 2つの作業の品目を介した時間的な関係。一般に、先行作業の生成する品目を後続作業が消費する。したがって、作業関係では、前後する2つの作業と品目とを関係付ける。

  • 作業区(shop)
  • 資材の投入から製品を完成させるまでの一連のプロセスの中で、加工ショップや組立てショップなど、ある程度まとめて管理するための単位。スケジューリングや負荷計画の対象となる。

  • 作業指示(production instruction)
  • あらかじめ定義された作業の情報をもとに、個々のオーダに対応して具体的な指示が可能となるように、対象品目や資源や日時情報などを設定して示したもの。

  • 作業実績(progress)
  • 作業指示に対して、その作業を特定の日時においてどのような状況にあるかを示す情報。状況を定性的に表現する場合と、その時点で生産した数量、進捗率などの数量情報で表す場合がある。

  • 作業者(worker)
  • 作業を行う人に対応する資源。設備を必要とせず作業者のみで実行できる作業もある。同一スキルの作業者をグループ化して扱う場合や、作業者を個人単位で扱う場合がある。

  • 作業場(work station)
  • 作業を行う場所のこと。機械や設備をこの作業場に従属するものとして、これに置き換えて管理する場合がある。この場合、作業場がスケジュール上の資源となる。

  • 座席修正(capacity production seat modification)
  • 生産座席予約システムにおいて、すでに生成した座席が、顧客のニーズにあわない場合に、必要に応じて座席の構成を変更すること。予約したい品目の座席が存在しないような場合に行う。

  • 座席生成(capacity production seat creation)
  • 生産座席予約システムにおいて、生産現場の能力や必要な資材、そして需要予測などを加味して、生産品目ごとの座席をあらかじめ計算し生成すること。

  • 座席予約(capacity production seat reservation)
  • 生産座席予約システムにおいて、生産枠である座席を予約すること。Webのしくみを最大限活用する。納期までの期間が一定期間以上あれば、訂正やキャンセルが可能。

  • サブクラス(subclass)
  • あるクラスに対して、その特徴をより具体化した下位のクラスのこと。サブクラス自身もひとつのクラスである。オブジェクト指向モデリングにおける用語。

  • サプライチェーン(supply chain)
  • 製品を最終的な顧客である消費者に提供するために、最も川上に位置するサプライヤーからメーカーや流通企業など非常に多くの企業ががチェーンを作ってモノ作りに参加しているようす。

  • サプライチェーン(SC)管理(supply chain management)
  • 企業が属するサプライチェーンの管理。顧客はもちろんのこと、サプライヤーや工程外注先、そして物流や流通関連企業などとの関係を常に最大のパフォーマンスが出せるように維持する。

  • サプライヤー(supplier)
  • APSから外部に対してオーダを発行する場合に、オーダの発行先となる主体。サプライヤーには、依頼する内容に応じて、資材業者、外注業者、そして輸送業者などがある。

  • 先行作業(predecessor)
  • 2つの作業間の先行関係において、指定する作業が終了した後でないと、自分の作業が開始できないという制約。事象間あるいは作業と事象間に対しても定義可能。

  • 仕掛品(work in process)
  • 製品や半製品になる以前の工程途中に存在する品目。理論的には、すべての工程間に存在する。通常は作業者がコードで識別することはないので、計算機が自動生成したコードが付けられる。

  • 支給品(supplies)
  • 工程外注によって、生産プロセスの一部をサプライヤーに委託する場合に、そこでの生産に必要な資材や仕掛品を支給するもの。有償支給と無償支給がある。

  • 資源(resource)
  • 作業を実行するために必要となるもの。資源には、あらかじめ能力が設定れており、その能力の範囲で、複数の作業を同時に実行することができる。装置、機械、設備、作業者、工具、治具など。

  • 資源オーダ(resource order)
  • 特定の資源または資源の能力を要求するオーダ。能力計画時に能力が不足するような場合に設定する。外注オーダは、資源オーダと見なすことができる。オーダの構造的分類。

  • 治工具(tool)
  • 設備や作業者が作業を実行する上で必要となる副次的な資源。一般に、設備間を移動可能。設備や作業者が作業可能であっても、治工具がネックとなり生産できない場合がある。

  • 資材(material)
  • 製品を完成させるために必要となる構成要素の品目の中で、サプライヤーから購入するもの。汎用品の場合が多く、資材の設計はメーカー側では行わない。

  • 死在庫(dead stock)
  • すでに販売中止となった製品に対する製品在庫や資材在庫や仕掛品在庫など。ただし、スペア品などは除く。一定期間以上売れずに在庫として存在する場合には死在庫としてみなすこともある。

  • 資材在庫(material stock)
  • 製品を生産するために必要となる資材の在庫情報。サプライヤーから購買した後、生産を開始するまで資材倉庫で保管される。出庫後、製品として完成するまでの間は、仕掛品在庫となり把握しにくくなる。

  • 事象(event)
  • 生産現場のさまざまな現実に対して、何らかの変化を与える行為。時間軸の中でその実行時点をひとつだけ定めることができる。作業の開始や終了も事象の一種であるが、作業とは独立した事象もある。

  • 品切れ率(sold out rate)
  • 顧客が要求する製品を即納できないか、あるいは最大限譲歩した顧客納期までに提供できない割合。これはほとんどの場合、機会損失につながる。

  • シフトパターン(shift pattern)
  • カレンダーに設定するシフト情報の詳細情報。開始時刻、終了時刻や途中の休憩時間帯などの情報を含む。また、各時間帯で利用可能な能力値を詳細に設定することもできる。

  • 収益計画(cash flow management)
  • 製品を生産した結果がきちんと利益に結びつくことを保証するために、原価企画と原価管理を行う。特に,生産活動をコストの視点からではなく、いかに利益を生み出すかという視点からとらえ意思決定する。

  • 集約(intensive)
  • 複数のオブジェクトが集まって他のオブジェクトの一部を構成していること。オブジェクト指向モデリングにおける用語。

  • 需��調整(supply and demand control)
  • 需要と供給の数量を企業全体の視点から調整する。基本的には、在庫計画によって変動を吸収するが、必要に応じて、販売計画や能力計画などを変更させることもある。

  • 受注管理(order management)
  • 顧客との実際のやりとりとして、引合いから受注そして決済に至るさまざまなプロセスを管理する。顧客と生産現場との間に立って、特急オーダの処理や、納期回答、さらには個別仕様決定の支援も行う。

  • 受注生産(buid-to-order production)
  • 生産管理の形態として、顧客からのオーダを受け取ってから生産を開始するしくみ。完成品在庫や仕掛品在庫を減らすことができるが、その分だけ納入リードタイムが長くなる。

  • 出荷管理(shipping management)
  • 顧客からの注文にもとづいて製品を出荷し、製品在庫も管理する。予定どおり生産できなかった場合などは、必要に応じて、出荷の形態やタイミングを調整する。

  • 出荷指示(shipping schedule)
  • 製品の出荷を指示する情報。指定された納期を考慮したうえで、受注に対して製品在庫が引当られる場合や、完成品が製品在庫に入庫したという実績情報に対して設定される。

  • 出荷通知(shipping notification)
  • 確定注文に対して、その製品を出荷することを通知するための情報。この情報を顧客が事前に受け取ることで、受入や生産の準備を事前に行うことができる。

  • 出庫指示(release instruction)
  • 資材在庫、あるいは管理対象となっている仕掛在庫に対して、それ以降の工程での生産を開始するために出庫を指示する。外注工程に対する支給品などに対しても設定される。

  • 受領通知(receipt notification)
  • 製品を顧客に納品し、その内容や数量等に間違いがないことを示す情報。納品時、または納品後に顧客から送られる。受入検査がある場合には、検収通知が別途設定される。

  • 受領メッセージ(receipt message)
  • 要求メッセージや応答メッセージを受信したアプリケーションが、そのメッセージの内容を承諾するかどうかを伝えるためのメッセージ。個別の処理を行う前に送信する。

  • 仕様催促(option data decision request)
  • 個別受注生産において、顧客独自の仕様を製品に反映されるような場合、生産の進捗に合わせて、必要なタイミングで顧客の仕様決定を促すために催促すること。

  • 消費ロット(consumed lot)
  • 作業指示によって消費されたロット。ロット追跡により生産ロットと対応付けられる。

  • 消費(consume)
  • 作業や事象と品目との関係情報。作業や事象によってそれまで存在していた品目が消費され数量が減少する場合に、それらの関係を表す。作業の場合、一般に開始時に対象品目の在庫が減少する。

  • 仕様変更(specification modification)
  • 製品の特徴を決定する仕様あるいはオプションを変更すること。設計変更と比較して影響は小さい。また、個別受注生産では、顧客ごとに仕様が異なるため、仕様変更の頻度は多い。

  • シングルペギング(single pegging)
  • 複数のオーダ間の関係を表現した紐付け情報を利用して、前後する工程に対する手配オーダ間での紐付けを行うこと。ロットの分岐合流がある場合には、最終的な顧客オーダが特定できない場合もある。

  • 進捗異常(progress abnormality)
  • 資材の到着遅れや、特定の工程が、完了予定時刻よりも大幅に遅れた状況のこと。製造実施システムが生産進捗を監視し、その遅れが全体に影響を及ぼすと判断した場合に、ただちにAPSに送信される。

  • スケジューリング(scheduling
  • 与えられた計画の実行可能性を保証するために、現実に存在している品目や資源の時間的な競合関係を解消し、作業の開始・終了日時や利用資源などの情報を決定すること。

  • スケジュール(schedule)
  • スケジューリングの結果として設定された情報。対象期間における各生産資源ごとの作業内容、開始日時、終了日時など、具体的な指示の集まりとなる。

  • スループット(throughput)
  • 販売価格から直接原価(材料費のみ)を引いて求めた期間利益のこと。工場がどれだけ効率よく利益を生み出しているかを表す。設備などの固定費を考慮しない点が特徴。

  • 生産(production)
  • 企業全体としてとらえた場合に製造部門が行う作業。さまざまな品目や資源を具体的に扱うものとして、製造、輸送、保管、検査、そして段取りや保守などがある。

  • 生産オーダ計画(production order planning)
  • 顧客オーダや見込オーダなどの製品オーダを、将来の需要と供給のバランスを考えながら設定し、それによって実際に生産しなければならない生産オーダ数を計算したもの。

  • 生産オーダ(production order)
  • 最終製品単位でのオーダであり、具体的に何を何個いつまでに生産するかといった情報。生産部門に対する要求となる。一般に、製品オーダのうち在庫引当分を差し引いたものが対応する。

  • 生産座席予約システム(Booking-type production system)
  • 生産座席表という生産枠情報を販売部門と製造部門との情報伝達の媒体として利用することで、製販統合を実現するしくみ。適切な納期回答や生産負荷の平準化が可能となる。

  • 生産座席(production seat)
  • 計画情報を開示せずに、将来の完成品在庫の数量を伝える手段として、顧客に提示する情報。それぞれの期間における製品数あるいは資源量のみを表し、内部のスケジュール情報は隠蔽されている。

  • 生産実績(production progress)
  • 指示を受けて製造現場で実際に行った生産の結果情報。生産した数量等の情報が生産実績となる。実績報告は、生産の都度行う場合と、特定の期間ごとにまとめて行う場合がある。

  • 生産準備(production preparation)
  • 生産工程を実際に動かして製品を作るために、試作を含めて、さまざまな設備や生産ラインを完成させる。ラインの組替えや工場そのものを増築するといった行為も含まれる。

  • 生産方針(production policy)
  • どのようなモノをいつまでにどれくらい生産するかといった生産に関する基本的な方針。個々の製品ではなく、製品ファミリーについて議論し、資源の管理区や作業区単位の粒度となる。

  • 生産ルール(production rule)
  • 作業の方法や特徴をあらわす情報。消費する品目、生産する品目、利用する資源についての選択可能な関係や、ロットサイズ、タスクサイズと作業時間との関係、そして作業属性との関係などが設定される。

  • 生成ロット(produced lot)
  • 作業指示によって生成されたロット。ロット追跡により消費ロットと対応づけられる。

  • 生成(produce)
  • 作業や事象と品目との関係情報。作業や事象によってそれまで存在しなかった品目が新たに生まれる場合に、それらの関係を示す。作業については、一般に完了時点で生成品目の在庫が増加する。

  • 製造(fabrication)
  • 生産に関係する作業の中で、ある品目を消費し、それを加工したり組立たりすることで新たな品目を生成する作業。対象とする品目は、作業の前後で、まったく異なる品質となる。

  • 製造原価(manufacturing cost)
  • 製品を製造するために必要となる原価。通常は材料費や人件費などの変動費部分と、設備投資の回収費用などの固定費部分からなる。固定費の配分方法が大きな問題となる。

  • 製造工数(manufactuirng person hour)
  • 製品を生産するために主要な工程において、設備をどれくらい占有するかを表す情報。単位は時間。製品ごと、工程ごと、そして利用する設備の種類によっても工数が異なる。

  • 製造指示計画(manufacturing order scheduling)
  • 生産オーダを各生産工程に展開し、必要となる作業に対して手配オーダを設定したもの。また、それをもとに、各作業ごとに必要な資源の割当や日時の設定を行い、実行可能としたスケジュール。

  • 製造指示(manufacturing schedule)
  • 個々の生産資源に対して、実際に生産を行うよう指示する情報。作業の開始時刻や終了時刻などの情報が含まれる。作業指示の中で、生産に直接関係するもの。

  • 製造実施(manufacturing execution)
  • 計画やスケジューリング結果に従って、実際に製造を実施する。より細かな手順などは独自に決定する。製造現場における予期せぬ事象に対応して臨機応変に製造方法を変える場合がある。

  • 製造実績(manufacturing progress)
  • 製造指示にしたがって、実際にどれだけの量を生産したかに関する生産実績情報や、生産資源をどれだけ利用したかに関する稼動実績情報などを含む実績情報。

  • 製造BOM(Bill of Manufacturing)
  • 設計部門が作るBOMとは別に、製造で独自の情報を付加したBOM情報。製品構成情報と工程手順情報が統合したもの。製造可能性などの観点から、設計情報の内容を変更する場合がある。

  • 製品オーダ(product order)
  • 製品単位で発行するオーダ。数量、納期、その他のオプション仕様などの情報を含む。顧客が発行する顧客オーダと、プランニングにおいて発行する見込みオーダがある。

  • 製品(production rule)
  • 顧客からのオーダの対象となる品目。あらかじめ定義された一連の作業を最後まで実行することで得られるもの。通常、複数の部品や資材を利用して生産される。

  • 製品在庫(product inventory)
  • それぞれの製品ごとに、どの位置にどれだけの在庫があるかについて、現時点のみでなく、将来の理論的な値も時系列的にもつ。流通在庫など、企業の外に存在する在庫情報も含む。

  • 製品設計(product design)
  • 顧客のニーズを明確にし、それを実現するための製品の機能と実現方法を決定する。具体的には、製品の構造や製造方法などを決定し、図面や部品表などのマスター情報を定める。

  • 製品ファミリー(product family)
  • 個々に異なる製品を、その構造をもとにグループ化した場合に同一のグループに属する製品のこと。共通部品を多く用いており、一部のオプション品などが異なる場合が多い。

  • 設計変更(design change)
  • 設計部門が設定する設計情報を変更すること。いままでと異なる製品がそれ以降生産されることになる。すでに手配し生産した部品などの無駄がないようにする配慮が必要。

  • 設計(design)
  • 企業全体としてとらえた場合に設計部門が行う作業。製品の構造やその作り方に関するマスター情報を、品目や作業や生産ルールといった形式であらかじめ定義する。

  • 設備(equipment)
  • 作業を行う上で必要となる資源。資源の中で、割付の対象となる特定の機械を表す。作業の種類によって、生産設備、保管設備、移動設備、検査設備などがある。

  • 設備異常(facility abnormality)
  • 設備の状態が異常であることを示す情報。アラーム情報として、リアルタイムで必要な部門に伝えられる。設備の稼動実績の一形態ということもできる。

  • 設備稼働率(machine usage rate)
  • 各機械や設備における稼動可能時間に対する実際の稼動時間の割合。ここで稼動可能時間帯は、あらかじめ計画的に休止している設備を除き、操業カレンダー上の総時間をとる。

  • 設備保守(facilities maintenance)
  • 生産設備や治工具など、工場における生産のための資源が常に最善の状態となっているように、故障や不具合をできるかぎり事前に予測し、点検や修理を行う。

  • 先行関係(precedence)
  • 事象Aは事象B以降でなければならないといった、2つの事象の時間的な関係。制約の内容は、2つの事象の間隔と、比較方法(<、>、=など)によって表現する。

  • 即納率(immediate shipping rate)
  • 顧客を一切待たせずに、注文に対して直ちに製品の出荷を行った割合。製品在庫があり、すでに出荷可能な状態にある割合のこと。製品の売れ筋状況によって即能率は異なる。

た行

  • 代替資源(alternabive resource)
  • ある作業に対して、その作業を実行するために必要となる資源が複数の候補の中から選択可能である場合、その候補資源において、一方の資源が他方の資源の代替資源となる。

  • タイムバケット(time bucket)
  • 計画やスケジュール対象を、特定の長さの期間に区切ったもの。週や日などが対応する。タイムバケット内で集計した値をもとに計画することでロジックが単純化できる。

  • 多重度(number of concurrents)
  • なんらかの関係をもつ2つのクラスにおいて、それぞれのクラスに属するオブジェクトが数的にどのような関係にあるかを示すデータ。

  • タスクサイズ(task size)
  • 個々の作業が実際に利用した資源に関するタスクのサイズ。またはその制約情報。資源が持つ合計値としての能力に対して、ひとつの作業が同時に利用できるタスクサイズが決まっている場合など。

  • タスク(task)
  • ある資源がある作業指示によって利用される場合、その利用する分の負荷を表す識別情報。一つの作業を複数の資源で実行する場合には、タスクはその資源の数だけ存在する。

  • 段取り(setup)
  • ある作業を行うために必要な前準備または後片付けに相当する作業。品目を生成しないが、その間、資源を占有する。通常、段取が利用する資源は、対象作業が利用する資源と同じになる。

  • 調達計画(logistics planning)
  • サプライヤーの選定も含め、必要となる資材を切らさず工程に投入するよう調達するための計画を作成する。また、工程外注のような、自社内の工程を代替する外注工場の確保も行う。

  • 追跡(tracking)
  • 一方の作業指示で生成されたロットに対し、他方の作業指示で消費されるロットが存在し、両者が同じ現物を指している場合、それらの関係を数量的に示した情報。

  • 手配オーダ(process order)
  • 生産に関係する個々の作業ごとに発行するオーダ。手配オーダによって作業指示が一つ設定される。通常、手配オーダは、プランニングやスケジューリングにおいてダイナミックに設定される。

  • デマンドチェーン(demand chain)
  • 最終顧客の要求が、それぞれのステップで形を変えながら、モノの流れと逆の方向に流れていくようす。サプライチェーンと裏表一体の関係にある。

  • 同期通信(synchronous communication)
  • クライアントがサーバーへ要求を送り、その応答を待ってから次の処理に移るタイプの通信方式。クライアントのプログラムが単純となるが、応答に時間がかかる場合には不向き。

  • 同期メッセージ(synchronous message)
  • 同期通信を行う際のメッセージ。(同期通信を参照)

  • 独立事象(permanent)
  • 事象の中で、特定の作業やオーダに従属していないもの。連続系プロセスのように、作業の存在なしに事象のみが独自に存在するような場合に使用する。

  • ドメインオブジェクト(domain object)
  • ある特定の問題領域に特化したオブジェクトの集まり。ただし、ドメインオブジェクトといった場合には、それらのドメインオブジェクトのクラス構造に関する情報も含む。

な行

  • 内示オーダ(unofficial order)
  • 正式なオーダではなく、近い将来にオーダする内容を、事前に顧客から送られる情報。生産準備や資材の手配に利用する。内示オーダの内容に対してある程度の精度で確定オーダが来ることが前提。

  • 内示精度(precision of unofficial order)
  • サプライヤーに対して事前に伝えた内示オーダに対して、実際にオーダした割合。工数ベース、数量ベースや、金額ベースでのずれが問題となる。あらかじめ内示精度を保証する場合が多い。

  • 納期回答(available to promise)
  • すでに顧客からオーダされた内容について、その納期がいつになるかを顧客から問い合わられ、回答すること。時間がたち、実際の納期に近づくほど精度が向上する。

  • 納期確約(due-date promising)
  • 納期回答時に、その納期は守ることを宣言すること。納期保証を行なった場合には、そのオーダは、それ以降、再スケジューリングなどによって後ろへずらすことができなくなる。

  • 納期遵守率(on-time delivery rate)
  • 顧客に受注時に約束した納期どおりに製品を出荷することができた割合。場合によって、納期変更した場合でも、その納期どおりに納品できれば納期遵守ということもできる。

  • 納期見積(due-date estimation)
  • まだ受注が確定するまえに、仮にオーダを受けた場合に納期はいつになるかを回答すること。見込みオーダへの引当や、あらたなオーダの生成をおこなった後に、スケジューリングをしなおす場合もある。

  • 納期余裕(time to spare for due date)
  • 受注を受けた企業が余裕をもって納入可能なリードタイムに対して、発注時に設定された納入リードタイムの割合。1以下の場合には余裕がまったくないことを意味する。

  • 納入リードタイム(supply lead time)
  • 顧客がオーダを発注してから、その製品を実際に受け取るまでに要する時間。顧客満足度に大きく影響を与えるパラメータ。要求される値を達成できない場合には機会損失となる。

  • 能力(capacity)
  • 品目ごとに設定される在庫量や、資源ごとに設定される負荷量に対する最大値、最小値の情報。在庫や負荷の値は、ここで設定した範囲内でなければならない。時系列情報。

  • 能力計画(capacity plan)
  • 設備や作業者など生産資源の能力を、将来予想される生産オーダをもとに調整したもの。短期的には、稼動時間を変更し、長期的には、作業者の人数や設備能力の増減などを行う。

  • 能力調整(capacity control)
  • 生産方針を実現するために必要な生産能力を確保するための調整を行う。設備そのものの増強や稼働時間の延長、あるいは外部の生産資源の利用など、さまざまな選択肢の中から最適な方法を決定する。

は行

  • パーティ(party)
  • 顧客やサプライやなど、製造業のAPSから見た場合に外部に位置付けられる利用者または関係者。パーティは、APSに対して、何らかの機能の実現を要求する。

  • 汎化(generalizing)
  • あるクラスを抽象化して、より上位のクラスとすること。具体化の逆の意味。オブジェクト指向モデリングにおける用語。

  • 半製品(intermediate product)
  • 通常は顧客からのオーダの対象とはならないが、見込オーダの対象となる品目。需要予測にもとづき、顧客からの注文に先立って製造しておくユニット品などが対応する。

  • 販売計画(sales plan)
  • 営業部門が中心となって中長期的な販売計画を作成したもの。需要予測や顧客からの意見、そして販売員の目標値などを加味して決定する。

  • 販売(sales)
  • 企業全体としてとらえた場合に販売部門が行う作業。完成した製品を販売する作業である。ただし、完成前にオーダをとってくる作業や、細かな仕様を顧客との間で決定する作業なども含む。

  • 販売BOM(sales BOM)
  • 設計部門が作成したBOMに対して、販売の立場から必要な情報を付加したもの。製品が実際に使用された後のメンテナンスのための情報や、スペアパーツなどの情報を含む。

  • 引合い(inquiry)
  • 注文に先立って、製品の仕様や価格などの基本情報を問い合わせる行為。一般に、引合いの後、正式な見積、そして受注というステップをとる。引合いでは、不定形な照会が多い。

  • 引当管理(pegging control)
  • 顧客オーダと生産オーダ、あるいは生産オーダと個々の生産指示との対応を管理する。紐付け(ペギング)管理のこと。製番方式のような単純なものから、ロットの分割や合流がある場合などにも対応する。

  • 引取責任日数(responsible days of reception)
  • 内示情報として事前に伝えた購買計画のうち、引取り責任を伴う先行日数。この日数の範囲内のオーダは、数量や納期や変更できても、最終的には購入しなければならない。

  • ビジネスアーキテクチャー(business architecture)
  • 個々の企業がもつビジネスモデルを決定する際に前提としているビジネスの様式。製品の構造、市場の構造、生産プロセスの構造などが大きな要因となって構成される。

  • ビジネスコンポーネント(business component)
  • APSから見て外部に位置付けられ、かつビジネス的にまとまった意味をもつ単位。顧客、サプライヤー、設計、製造が具体例としてあげられる。

  • ビジネスプロセス(business process)
  • ビジネス活動の連鎖。ビジネスモデルの実現手段として、ビジネスの要素をつなぎ合わせたもの。ビジネスモデルを情報のフロー、あるいは価値のフローとして捕らえる。

  • ビジネスモデル(business model)
  • 企業がビジネスを行い発展していくための形態。経営戦略を中核として、顧客やサプライヤーとの関係、コアコンピタンスとなる経営資源との関係、そして競合他社などさまざまな経営環境との関係によって定義される。

  • 非同期通信(asynchronous communication)
  • クライアントがサーバーへ要求を送り、その応答を待たずに次の処理に移る方式。応答の受け取りはイベント駆動で行われる。効率がよい反面、プロセスの流れが見えにくい。

  • 非同期メッセージ(asynchronous message)
  • 非同期通信を行う際のメッセージ。(非同期通信を参照)

  • 紐付(pegging)
  • 複数のオーダ間の関係を表現した情報。生産現場での個々の手配オーダが、最終的にどの製品オーダに結びつくのかを調べる際に利用される。対応関係は分岐、合流する場合もある。

  • 評価指標(indicator)
  • 製造業がグランドデザインを策定する上で考慮すべきビジネス指標。顧客の視点、サプライヤーの視点、経営資源効率化の視点、そして情報システムの視点から整理できる。

  • 品質異常(quality alarm)
  • 品質の異常値が、通常の範囲を超えており、早急に対策を講じる必要があるような場合のアラーム情報。検査工程を特別に設けていない工程であっても、人間の判断で異常を察知した場合に設定可能。

  • 品質管理(quality control)
  • 製品あるいは製造の製造プロセスがもつ品質を正しく把握し、顧客が要求する目標品質を得るために、プラン、実行、チェック、アクションのサイクルを繰返し実行する。

  • 品目(item)
  • 作業によって消費または生産されるものを表す。製品、部品、資材、原材料、仕掛品などは品目として表現可能。品目はその総量を在庫レベルとして時系列で持つ。

  • 品目オーダ(item order)
  • 特定の品目を要求するオーダ。結果的にその品目を生成するような作業が選択され実行される。生産オーダがこれに該当する。オーダの構造的分類。

  • 負荷(load)
  • それぞれの日時や時刻における各資源の利用量。資源がもつ状態値の一つであり、その資源に対するタスクの合計数量でもある。能力の範囲内である必要がある。

  • 負荷計画(load plan)
  • 生産計画にしたがって個々の作業を実行した場合に予測される将来の特定期の負荷の積算値。実際の工程の能力を無視した無限負荷山積み方式と、能力を考慮した有限負荷山積み方式がある。

  • 負荷平準化(load balancing)
  • ボトルネック工程など、その作業区を代表する工程の負荷が、日や週などの集計単位でみた場合に平準化されているか。また、必要に応じて、個々の設備や作業者についても負荷が平準化しているか。

  • 部品共通化率(ratio of common parts)
  • 製品の品目数に対する部品点数の割合と、一製品の平均部品点数の割合との比較。一製品あたりの部品数が多くても、部品共通化が進んでいれば、製品数に比例して部品数は増加しない。

  • プランニング(planning cycle)
  • 要求と事実のギャップを埋めるために、目標や手段を設定し、さらにそれらの構造やパラメータを決定する問題。具体的には、オーダや生産能力を設定することで、スケジューリングの制約を決定する。

  • フルペギング(full pegging)
  • 複数のオーダ間の関係を表現した紐付け情報を利用して、各手配オーダと製品オーダとをつなぐ紐付けを行うこと。生産現場での個々の手配オーダが、どの顧客オーダに対応しているかを調べる。

  • プロジェクト型定量生産��project-oriented batch production)
  • あらかじめ決まった数量の製品を一定期間繰返し生産し、製品のライフサイクルに合わせて自ら生産を中止する方法。顧客の嗜好を先取りし、キャッシュフローを最大化できる。

  • プロダクトライフサイクル(product life cycle)
  • ひとつの製品が企画され設計され、そして実際に一定期間生産され、消費者に使われた後、最終的に売れなくなって製造を中止し、市場からも消滅するまでの一連のプロセス。

  • 平均在庫日数(average number of inventory days)
  • 完成品在庫または仕掛在庫を、一日の平均受注量の何日分保持しているか。在庫の実数量の変わりに指標として多く用いられる。受注数量にばらつきがある場合には向かない。

  • 方針計画(policy management)
  • 企業経営の立場から、経営資源をいかに効果的に配分するかに関する意思決定を行った結果として得られた情報。設計、製造、販売などすべての項目が意思決定の対象となる。

  • 保管(storage)
  • 生産に関係する作業の中で、対象とする品目の品質も位置情報もまったく変えずに、一定期間保管する作業。保管そのものを一つの作業として認識する必要がある場合に対応。

  • 保守(maintenance)
  • 資源に対して定期的あるいは不定期に行う作業。通常の作業と異なり品目を生成しない。保守によって、対象となる資源の状態が変更され、正常に稼動する状態となる。

  • 保守計画(maintenance instruction
  • 生産工程を常に最良の状態で維持するために、設備の点検や修理などの保守作業をあらかじめ設定した情報。生産のための作業との関係を考慮する必要がある。

  • 保守指示(maintenance schedule)
  • 製造に関する作業ではなく、設備や工程の保守のための作業指示。保守に関しては、生産現場独自で行っている場合、現場の内部で独自に生成され実行されることになる。

  • 保守要求(maintenance request)
  • 生産現場からAPSに対し、保守のために特定期間、設備を生産では使わないように要求したもの。生産現場が、独自に保守を行う場合でも、全体の生産のスケジュールとの調整が必要となる。

ま行

  • マスター情報(master information)
  • さまざまなオブジェクトに関する情報の中で、共通であり変化しない部分をクラスとしてまとめたもの。個別に異なる情報を生成する際の雛型となる。

  • マルチサイト計画連携(multi-site federation planning)
  • 個々のサイトに分散したAPSが、お互いに計画情報を提示し合い、全体としての整合性を維持することで、個々のサイトの業務プロセスをダイナミックに連携させるしくみ。

  • 見込オーダ(forecast order)
  • 将来的に顧客から来るであろうオーダを、あらかじめ予測してAPS内部で発行したオーダ。見込オーダは、製品在庫となった後で顧客オーダに引き当てられるか、見込みオーダのままで振り代えられる。

  • 見込生産(speculative production)
  • 生産管理の形態として、顧客からのオーダに先立って製品を完成しておき、顧客オーダを製品在庫に引き当てる方式。納入リードタイムは短くなるが、需要予測の精度が要求される。

  • 見積(estimation)
  • 顧客からの見積要求に対して、該当製品の仕様、納期、生産可能数量、そして価格などを回答したもの。通常は、仕様と数量を固定して価格と納期を照会する。

  • モデルチェンジ(model change)
  • 設計変更を参照

や行

  • ユースケース(use case)
  • システムを利用する際の形式。システムと利用者との関係を明らかにし、システムの要求仕様を明らかにするための情報。

  • 輸送(transportation)
  • 生産に関係する作業の中で、対象とする品目の品質はまったく変えずに、その品目の位置情報のみを変更させる作業。管理区の内部での輸送と、管理区間の輸送に大別できる。

  • 輸送オーダ(transportation order)
  • 製品を顧客まで届ける際に、輸送や配送を外部のサプライヤーに依頼する場合のオーダ。必要に応じて、資材の輸送もこの輸送オーダと呼ぶこともできる。

  • 輸送管理(transportation management)
  • 企業間あるいは企業内における輸送のための計画を作成し、その計画が実際に効率よく実行されるための管理をする。生産計画との連携も考慮する。

  • 輸送計画(transportation schedule)
  • 企業内あるいは企業間で必要となる輸送作業に関して、具体的なオーダに対する作業スケジュールや、ある程度の見通しを踏まえた将来の計画など。

  • 要求メッセージ(request message)
  • サーバーに対して、何らかの処理や情報の照会を依頼するためのメッセージ。要求メッセージを受け取った場合、必ず応答メッセージか例外メッセージを送信元に返さなければならない。

ら行・わ行

  • 例外メッセージ(exception message)
  • 要求メッセージまたは応答メッセージを受信したアプリケーションが、その内容に不都合があり処理を継続できない場合に、送信したアプリケーションにそのことを伝えるためのメッセージ。

  • レイヤー(layer)
  • さまざまな知識や情報を、その依存関係をもとに整理し、階層化した場合のそれぞれの階層のこと。各レイヤーの個々の要素は、常に下位のレイヤーにのみ依存する。

  • レガシーシステム(legacy system)
  • 企業にすでに存在し稼働している情報システム。企業資産としてさまざまな業務上のノウハウを含んでいる反面、新たなITのしくみを構築するさいの負担となる場合もある。

  • ロール(role)
  • 2つのクラス間の関係をあらわすパラメータであり、一方のクラスが他方のクラスに対してとる役割りのこと。

  • ロット(lot)
  • ある品目がある作業指示によって具体的に生産または消費される場合に、そのまとまりをさす識別情報。個々のロットを日時別に集計すると在庫が計算できる。

  • ロットサイズ(lot size)
  • 個々の作業が実際に生成または消費したロットのサイズ。または、生成または消費するロットサイズに関する制約情報。制約情報としては、最小ロットサイズ、最大ロットサイズ、単位ロットサイズなどがある。

  • ロット追跡(lot tracking)
  • 「追跡」を参照のこと。

  • 割当(assign)
  • 作業を実行する際に必要となる資源について、利用した場合の資源と作業との関係。作業の期間中、利用資源の負荷が増加し、終了時にもとの状態に戻る。

アルファベット

  • 3PL
  • 製品や資材をその生産者と需要者のどちらでもない第三者が輸送するロジスティクス。単にモノを運ぶだけでなく、効率性や顧客ニーズを考慮した戦略的なしくみとなっている。

  • APS
  • プランニングやスケジューリングなどの組織の意思決定の要素を統合させ、さらに各部門が組織間や企業間の枠を超えて同期をとりあいながら自律的に全体最適を志向するしくみ

  • APSエージェント(APS agent)
  • APSを実現するための自律的な構成要素。APS全体に対するサブシステムであるが、人間の意思決定や制御不可能な現実もその内部に含む。事前に定義されたインタフェースを介してて依頼する。

  • APSコラボレーション(APS collaboration)
  • APSにとって特徴的なビジネスプロセスを実現するために、その中のステップにおいて異なる複数のエージェントが臨機応変にコミュニケーションし合いながら、目的を実現するしくみ。

  • BOM
  • 部品表のこと。製品に対して必要な部品や資材を一階層で並べたサマリー部品表や、製品の構造に従って階層をつけたストラクチャー型部品表などがある。

  • BTO
  • あらかじめ製品をユニット単位で見込で作っておき、顧客オーダを受け取った時点で完成品とする生産管理方式。製品のバラエティーが工程の最後で決定するタイプの製品に向いている。

  • COM/DCOM
  • マイクロソフト社が提供するプログラム間通信のしくみ。個々のプログラムの実行単位をオブジェクトそして管理し、それらの間の通信が容易に実現できる。Windows上でのみ実行。

  • CORBA
  • OMGが定めた仕様。システムを構成するオブジェクト間でメッセージ交換を行うためのインタフェースの定義方法や、実装方法などを定めている。プラットフォームに依存しないのが特徴。

  • CPFR
  • 流通企業がもつ需要予測や販売計画情報と、メーカーがもつ生産計画情報や供給計画情報をIT技術を活用して共有しあい、おたがいの情報の精度を高めるしくみ。

  • ebXML
  • OASISと国連機関のUN/CEFACTが策定している電子商取引に関するXMLの仕様。取引先検索のための方式や、信頼性の高いメッセージング方式などを定めている。

  • EDI
  • 電子データ交換。異なる企業間で、受発注情報などを電子的にやりとりすること。従来は専用回線の上で行われていたが、最近はインターネットを利用したオープンなEDIに以降しつつある。

  • HTTP
  • インターネット上で、WWWのサイトにある情報にアクセスし、その内容を取り出すための通信方式。往信と復信がある点が特徴。必要に応じて、往信により詳細な要求内容を設定することもできる。

  • MES
  • 製造実施システム。生産現場において、生産スケジュールを実行する上でのさまざまな現実的な問題を解決し、結果をフィードバックするしくみ。計画と現実のギャップを埋めることが目的。

  • MRP
  • 資材所要量計画。完成品の数量から、BOM情報をもとに資材の必要数量を計算する。必要日時は、一般にタイムバケット単位で固定リードタイムを用い計算する。

  • PSLX
  • プランニングとスケジューリングを、インターネットを中心としたIT技術のもとで統合させることで、製造業の新しい生産管理のしくみを構築するための標準仕様およびガイドライン

  • RGB
  • データ表示における色の表現方法。赤(R)、緑(G)、青(B)の3色について、それぞれ0~255までの通知を指定し、その組合せで色を表現する。

  • SMTP
  • インターネット上でメールを送信するための通信プロトコル。メールサーバー間での中継や、メールクライアントからサーバーへの送信に用いられている。

  • SOAP
  • インターネット上で複数のプログラムが通信する際に、内容をXMLをもちいたエンベロープ(封筒)に入れて送る方法。送信先のシステム環境に依存しないというメリットがる。

  • SQL
  • リレーショナル・データベース用の問合せ言語。データ検索や集計はもちろん、データの追加、削除も可能。個々のデータベース製品に依存せず、統一形式で定義が可能。

  • VMI
  • メーカーが顧客に代わって顧客がもつ倉庫を管理するしくみ。顧客は倉庫から取り出した数量のみメーカーに代金を支払う。メーカーは常に在庫を切らさないように供給する責任がある。

  • Webサービス(Web Service)
  • SOAPによって外部から利用可能となった部品化されたWebベースのソフトウェアのこと。WSDLという記述言語で、その機能や呼出方法が個々に定義されている。

  • XML
  • インターネット上で、ことなるプログラムがデータを交換する際の記述形式。タグとよばれる識別コードをデータの各所に挿入することで、相手にデータの内容を理解可能にしている点が特徴。