設計製造ソリューション展2009

 共通テーマ:現場発”ITカイゼン”のためのプラットフォーム

現在の製造業では、ERPシステムや、受注管理、購買管理システムなどの基幹系システムが、業種を超えてさまざまな企業で効果をあげています。しかし、生産スケジューリングなどを中核とした現場管理システムについては、まだ依然として、マスター情報の管理や、タイムリーな情報のフィードバックなど、多くの課題が残されています。 私たち“ものづくりAPS推進機構”は、日本的なものづくりの強みを活かすため、トップダウンではなく、むしろボトムアップなIT構築を行うことが重要であると考えています。そして、製造現場の固有の知識やノウハウという、企業の最大の情報資産を大切に扱うITの構築手法を提案してます。 今回ご紹介する“PSLXプラットフォーム”は、 ・現場発の“ITカイゼン” ・スケジュールに同期した現場管理 ・そして、変化のためのマスター情報連携 など、これからの製造業が競争力を強化していく上で必要となる、多くの課題を解決します。

”ITカイゼン”とはなにか?

PSLXプラットフォームによる“ITカイゼン”とは、業務のムリ、ムダ、ムラをなくすために、現場が中心となって情報の流れをよくすること、といえます。 ものづくりの最先端である製造現場では、多くのITツールやアプリケーションソフトウェアが、現在欠かせない存在となってきています。しかし、現実には、それぞれのツールがもつ情報は、簡単に交換することができず、結果として、それらの情報が部門内の他の業務、あるいは部門間で効果的に活用されていません。 ITカイゼンのアプローチでは、これらの個人単位あるいは部署内での情報を整理整頓し、それらの情報の実際の流れを“見える化”します。そして、 情報の流れが悪いために、それぞれの業務、あるいは企業全体にとってボトルネックとなっている部分を見つけ、ひとつずつその流れをよくしていきます。

自律分散型で変化に強くなる

従来のOA型のアプローチでは、業務をまるごとITのなかで実施するためにあらかじめ詳細な設計が必要となります。一方、カイゼン型のアプローチは、個別の業務をITでつなぐことに重点がおかれ、情報は分散したままでもかまいません。このように、カイゼン型のITでは、それぞれの業務ごとに、個別にデータベースを持つことを許しています。そして、それらのデータベースにある情報が、それぞれの業務の担当者によって自律分散的に管理され、結果として変化に強いITシステムとなるのです。 ただし、このような自律分散型のしくみを実現するためには、それぞれの業務間、あるいはアプリケーション間の情報連携のための高度な技術が必要となります。

さまざまな進化の過程に対応

PSLXプラットフォームでは、このようなPSLXアーキテクチャにもとづき、製造現場を中心とするさまざまなレベルのさまざまな段階のIT化を支援します。 たとえば、作業者中心の現場では、コンピュータがなかなか活用できず、帳票による指示や実績の収集が行われています。そこでは無視やりIT化するよりも、それらの帳票中心の情報処理を、バックでITがささえるしくみを提供します。 また、ある程度情報機器が行きわたった現場では、より高度な管理が可能となります。その場合には、PSLXがそれらの機器に対してタイムリーな情報を提供します。 そして、さらに自動化の進んだ製造現場では、生産管理のコンピュータが、最終的な装置をコントロールすることになります。このような場合でも、PSLXを介した現場のITシステムの基本的な構造はかわりません。