生産資源に関する情報

作業場レベルの生産資源

生産資源の階層構造の中で、作業場レベルのオブジェクトとして、その生産資源が行う業務の内容に応じて、生産設備、移動設備、保管設備、検査設備があります。

図  生産資源の種類

生産設備(Production Center)

生産設備は、生産のために必要となる設備です。生産設備は、一般に、ひとつ以上の装置によって構成されます。ただし、装置以外の生産資源、たとえば、治工具や作業者などを含むこともあります。

移動設備(Transportation Center)

移動設備は、生産品目を移動するために必要となる設備です。移動設備は、一般に、ひとつ以上の移動装置によって構成されます。ただし、移動装置以外の資源、たとえば、生産装置、検査装置、作業者などを含むこともあります。

保管設備(Storage Zone)

保管設備は、製品や資材の保管のために必要となる設備です。保管設備は、一般に、ひとつ以上の保管装置によって構成されます。タンクなどからなる貯蔵設備や倉庫などが対応します。保管設備には、保管装置以外の資源、たとえば、生産装置、検査装置、作業者などを含むことがあります。

検査設備(QA Center)

検査設備は、生産品目の品質検査のために必要となる設備です。検査設備は、一般に、ひとつ以上の検査装置によって構成されます。ただし、検査装置以外の資源、たとえば、生産装置、移動装置、作業者などを含むこともあります。

生産要素レベルの情報

生産要素のレベルの生産資源として、以下のように装置、作業者、治工具、ユーティリティ、技術図書があります。

装置(Equipment)

装置は、単位作業を行うために必要となる機械であり、生産方法の種類によって、生産装置、保管装置、移動装置、検査装置などがあります。製造装置は、製造を行う一般的な工作機械などが対応します。これ以外に、移動装置として、搬送または輸送のための通い箱、パレットや容器があります。また、検査装置としては、テスタなどが、保管装置として、タンクや部品棚やリフトなどが挙げられます。

作業者(Personnel)

作業者は、作業を行う人を表す資源です。作業者を必要としない作業も存在するとともに、装置を必要とせず作業者のみで実行できる作業もあります。作業者は、特定の個人を指す場合と、固定的なメンバーで構成される作業者グループを指す場合とがあります。

治工具(Tool)

治工具は、装置や作業者が作業を実行する上で必要となる副次的な資源です。ワークの固定用の治具やドリルや金型などがこれに相当します。一般に、治工具は、作業場や作業区間で移動することが可能です。

ユーティリティ(Utility)

ユーティリティは、電気や水など、生産を行う上で必要な資源であり、原材料のように消費されますが、製品の一部として組み込まれることはありません。一般に、ユーティリティは一定量が、連続的に供給され、そのレベルを超えない範囲であれば、継続的に使用することができます。

技術図書(Technical Information)

技術図書は、設計図や、技術仕様書、作業手順書など、生産を行う上で必要な技術情報です。情報であるために、資源の能力(キャパシティ)の限界はありませんが、技術図書が存在しないと、該当する作業が実行できません。